COLUMNコラム

「現場のリアル」はどう伝える?製造業の採用動画|最新トレンドと成功事例、失敗しない制作フロー

公開日: 2023年7月20日    更新日: 2026年1月26日

「採用動画はあるのに、なぜ応募が伸びないのか」「内定辞退や早期離職がなくならない」、そんなお悩みはありませんか。それは、動画で「現場のリアル」を伝えられていないのかもしれません。

採用サイト等では、求職者が最も知りたい「職場の空気感」「働く人との相性」といった判断材料が不足しています。それを補うのが採用動画の役割です。採用活動が動画中心にシフトした今、成果を分けるのは“かっこいい映像”を作ることではありません。求職者の不安を解消し、志望度を底上げするための「設計と運用」に尽きます。

このコラムでは、最新トレンドを踏まえ、求職者の「働くイメージ」を具体化させ、応募の質を整えるための具体的な設計、惹きつける演出アイデア、失敗しないための制作フローまでを徹底解説します。「動画を作って終わり」ではなく、確実に視聴から応募へつなげるための戦略が分かります。

目次

採用動画の現状は?採用活動の動向と課題

求人票や採用サイトだけでは、職場の空気感・働き方・人間関係といった“判断に必要な情報”が伝わりにくく、求職者は不安を抱えたままで応募をためらいがちです。一方で企業側も、母集団形成の難化、内定辞退、早期離職といった課題を抱えています。

採用動画は、認知拡大だけでなく「ミスマッチの抑制」「志望度の底上げ」「選考の効率化」に効く手段として定着しつつあります。

採用活動での動画活用が増える背景

採用動画が増えた最大の理由は、求職者の情報収集行動が「テキスト中心」から「動画中心」へ寄っていることです。調査でも“求職者の約8割が採用動画を視聴する”というデータが語られるように、動画は特別な施策ではなく、比較検討の前提になりつつあります。

背景には、SNSの普及、スマホ視聴の常態化、タイパ(時間対効果)志向の高まりがあります。文章を読み込むより、30秒〜1分で雰囲気を掴み、合わなければ次へ進む行動が一般化しました。企業側は「長編を作れば伝わる」ではなく、「短時間で要点が伝わる」設計へアップデートが必要です。

※PR TIMES:採用動画視聴は8割。[採用動画トレンド調査2025]

求職者の判断材料を増やす:会社の様子が伝わる効果

採用で最も埋めにくい情報は、実は待遇や制度よりも“現場のリアル”です。例えば、オフィスの音、会話のテンポ、上司と部下の距離感、現場の忙しさ、チームの雰囲気などは、文章では誤解が生まれやすい領域です。

動画は視覚と聴覚で一度に情報を渡せるため、求職者の判断材料を増やし、納得感を作ることができます。結果として「応募の後押し」だけでなく、「入社後のギャップ低減」にもつながります。特に、社員の表情・言葉選び・間合いは、企業文化を端的に伝える強力な要素になります。

認知度拡大とエントリー(応募)向上の関係

採用動画は“認知を広げる広告”として語られがちですが、実務で効くのは「応募の質を整える」側面です。動画で仕事内容・期待役割・大変さも含めて提示できると、合わない人は早い段階で離脱し、合う人は志望度が上がります。つまり、応募数を増やすだけでなく、ミスマッチを減らし、選考工数や早期離職リスクを下げる効果も期待できます。

重要なのは、認知 → 比較 → 応募の各段階で“見せる動画を変える”ことです。1本で全部伝えようとすると情報過多になり、結局どの層にも刺さらない状態になりやすい点が課題です。

最新の採用動画トレンド

求職者はSNSで偶然出会い、短い動画で興味を持ち、必要なら深掘り動画へ進むという導線が主流になっています。そのため、採用動画は“作品”ではなく“運用するコンテンツ”として設計する企業が増えています。差がつくのは、ターゲットの課題に刺さる企画と、媒体に最適化した見せ方です。

ショートの採用動画は1分が主流に

ショート動画は「最後まで見てもらう」より「次の行動へ進める」ことが目的になりやすいのが特徴です。1分で刺すには、冒頭で“誰向けの何の話か”を明確にし、価値を先出しします。おすすめは、課題提示 → 解決の一言 → 根拠(現場映像/社員の一言)→ 行動喚起[Call To Action:以下 CTA](説明会/募集要項)という流れです。

また、1分に情報を詰め込みすぎると理解が追いつかず離脱します。伝える要素は1テーマに絞り、「職種の魅力」「成長環境」「働き方」など軸を固定すると強くなります。

  • 0〜3秒:結論(例:未経験から◯ヶ月で独り立ち)
  • 4〜20秒:現場の証拠(作業/会議/接客などのリアル)
  • 21〜45秒:社員の一言(入社理由・やりがい・大変さ)
  • 46〜60秒:次の導線(募集職種ページ/説明会/応募)

SNS・YouTubeで拡散する縦型求人動画

縦型動画は“スマホで自然に見られる”ため、認知獲得に強いフォーマットです。TikTokやInstagramリール、YouTubeショートでは、テロップ前提・テンポ重視・生活者目線の内容が伸びやすい傾向があります。採用で相性が良いのは、オフィスツアー、1日の流れ、あるある、社員の本音、福利厚生の実物紹介など、視覚で理解できる題材です。

一方で、縦型は情報の“深さ”を出しにくいので、縦型で興味喚起横型の本編や採用サイトで理解促進、という二段階設計が効果的です。撮影は最初から縦で構図を作り、字幕が読める余白を確保するのが重要です。

インタラクティブ動画で関心を深める

インタラクティブ動画は、視聴者が選択肢を押して内容が分岐する形式で、比較検討フェーズに強いトレンドです。「営業を見たい」「エンジニアの働き方を知りたい」「福利厚生を確認したい」など、求職者の関心はバラバラです。分岐を用意すると、必要な情報に最短で到達でき、視聴体験が良くなります。

また、説明会動画にQ&A分岐を入れると、よくある質問を自己解決でき、採用担当の対応工数も下がります。導入のコツは、分岐を増やしすぎず、職種別・不安別(残業/評価/育成)など3〜6分岐程度に抑えることです。

  • 職種別分岐:営業/開発/現場職などで仕事内容と1日の流れを切り替え
  • 不安解消分岐:残業・休日・評価・研修・キャリアの質問に短尺回答
  • 説明会導入:会社概要 → 興味のある章へジャンプで離脱を防止

AI活用で制作の効率化とクオリティの担保

AIは採用動画制作の“前工程”と“量産工程”を大きく変えています。企画案のたたき台、台本の構成、字幕生成、ノイズ除去、カット編集、縦型へのリサイズなど、時間がかかる作業を短縮できるようになっています。ただし、AIで作るほど「どこかで見た内容」になりやすく、企業固有の魅力が薄まるリスクもあります。

クオリティを担保するには、現場の一次情報(社員の言葉、実際の業務シーン、数字や事例)を必ず入れ、AIは編集・アレンジの補助として使うのが安全です。また、音声合成や自動ナレーションは便利ですが、採用では“人の温度感(肌感)”が重要なため、社員の肉声を残す設計が有効なケースも多いです。

刺さる採用動画の構成:ストーリーで魅力を伝える

採用動画で成果が出る企業は、映像表現より先に「ストーリー設計」を固めています。求職者は“会社の良さ”を知りたいのではなく、「自分がそこで働くイメージが持てるか」「不安が解消されるか」を求めています。そのため、会社紹介の羅列ではなく、課題 → 解決 → 成長の流れで、仕事の意味と環境の価値を伝えると刺さりやすくなります。

ターゲット設計:コンセプトは人材像・志望動機・課題から逆算

刺さる採用動画は「誰に向けた動画か」が一言で言えます。ターゲットが曖昧だと、メッセージが平均化し、結局“どこにでもある会社紹介”になります。まずは採用したい人材像(経験・志向・価値観)を定義し、その人が抱える不安や比較軸(成長、裁量、安定、働き方、報酬など)を洗い出します。

次に、志望動機になり得る要素を3つに絞り、動画のコンセプト(例:若手が挑戦できる現場、育成の仕組み、顧客価値)へ落とし込みます。この段階で「言わないこと」も決めると、短尺でも強い動画になります。

冒頭3秒の工夫:現場のリアルで一気に惹きつける

ショート化が進んだ今、冒頭3秒で「自分に関係ある」と思われなければ離脱します。ロゴアニメーションや長い挨拶から入るのは不利で、最初に“現場の強い画”を置くのが基本です。冒頭は演出よりも、情報設計(結論の先出し)が最重要です。

例えば、現場職なら作業の迫力、営業なら商談前後のリアル、エンジニアなら開発風景やチームの会話など、職種の臨場感が伝わるシーンが有効です。同時にテロップで「誰向け」「何が得られる」を明示すると、視聴者の理解が追いつきます。

ストーリーの型:業務内容とビジョンを自然に語る

会社の魅力を語るとき、理念やビジョンを先に出すと抽象的になりがちです。おすすめは、現場の課題(顧客の困りごと/業界の変化/チームの挑戦)を起点にし、それをどう解決しているかを業務シーンで見せ、最後に個人と組織の成長へつなげる型です。

この流れだと、仕事内容の説明が“物語の一部”になり、押し付け感が減ります。また、成長パートでは「どんな人が伸びるか」「どんな支援があるか」を具体化すると、志望動機に直結します。数字(研修期間、評価サイクル、プロジェクト規模)を少し入れるだけで説得力が上がります。

コミュニケーションが見える設計:社内の空気感を映像で徹底的に表現

ミスマッチの多くは、仕事内容より“人と文化”の相性で起きます。だからこそ採用動画では、会議の雰囲気、フィードバックの仕方、雑談の温度感、現場の連携など、コミュニケーションが見えるシーンを意図的に入れることが重要です。

インタビューだけだとまとまりすぎるため、現場で働く様子など、話の内容を補足する映像(いわゆるBロール)を厚めに撮り、語りと映像を一致させるとリアル感が出ます。また、良い面だけでなく「大変な点」「忙しい時期」を入れると信頼が上がり、結果的に応募の質が改善します。“盛る”より“解像度を上げる”ことが、今の採用動画の勝ち筋です。

惹きつける仕掛けアイデア

採用動画は真面目に作るほど無難になり、記憶に残りにくいというジレンマがあります。一方で、面白さだけを狙うと「結局何の会社か分からない」状態になり、応募につながりません。両立のコツは、演出は“入口”として使い、伝える中身(仕事・人・成長・条件)を必ず回収することです。

かっこいい動画は、カメラワーク・色・音声・BGMの印象でつくる

かっこよさは高価な機材より“設計された統一感”で決まります。具体的には、色味(トーン)を揃える、カメラの動きをルール化する、BGMのジャンルを職種やブランドに合わせる、音声をクリアにする、の4点が効きます。

特に採用動画は、映像が良くても音が悪いと一気に素人感が出ます。社員の声が聞き取りにくい、環境音がうるさい、BGMが大きすぎる、といったミスは避けたいです。また、テロップのフォントをスマホで読めるサイズに統一するだけでも“それっぽさ”が上がります。かっこよさは演出の足し算ではなく、ノイズを減らす引き算で作れます。

  • 色:ブランドカラーに寄せ、肌色が不自然にならない範囲で統一
  • 音声:ピンマイク/ガンマイクで声を確保し、ノイズ除去を徹底
  • BGM:歌入りは言葉を邪魔しやすいので、用途に応じて選定
  • テロップ:スマホ前提のサイズ、要点だけを短く表示

面白い動画は、企画・構成で「共感」と「驚き」を両立させる

面白い採用動画は、奇抜さより“共感できるあるある”から入ると成功しやすいです。例えば「入社前に不安だったこと」「初日のリアル」「繁忙期の乗り越え方」など、求職者が知りたいテーマは共感を生みます。そこに、意外性(想像と違った点、良い意味でのギャップ、独自の文化)を一つ足すと記憶に残ります。

注意点は、内輪ノリにしないことと、オチのために会社の本質を歪めないことです。面白さは“応募のハードルを下げる”効果がある一方、情報が薄いと他社と比較検討で負けます。笑いの後に、仕事内容・成長・条件のどれかを必ず回収する構成にしましょう。

アニメーションで、難しい制度・キャリア・福利厚生を短尺で解説

アニメーションは、制度やキャリアパスなど“説明が難しい情報”を短時間で理解させるのに向いています。実写だけだと伝わりにくい評価制度、研修フロー、配属の考え方、福利厚生の条件などは、アニメーションで図解・整理すると離脱が減ります。また、撮影が難しい現場(機密性が高い、顧客が映る、夜間作業など)でも、アニメなら情報を安全に出せます。

一方で、アニメだけだと“人の温度”が弱くなるため、社員の写真・声・短い実写カットを混ぜると採用向きになります。種類としては、モーショングラフィックス、ホワイトボード風、キャラクター型などがあり、ブランドに合うテイスト選びが重要です。

種 類向いている内容注意点
モーショングラフィックス制度・数字・フローの図解情報を詰め込みすぎると読めない
ホワイトボード風概念説明・研修の流れテンポが遅いと離脱しやすい
キャラクター型親しみ・若年層向けの導入幼く見えないデザイン設計が必要

ドキュメンタリーは、仕事のリアルと魅力を伝える映像設計

ドキュメンタリー風は「リアルが伝わる」トレンドとして根強く、特に現場職・専門職で効果が出やすい形式です。1日密着は、業務の流れ、忙しさ、チーム連携、休憩の雰囲気まで映るため、入社後のイメージが具体化します。成功のポイントは、ただ追いかけるのではなく、見せ場を設計することです。

例えば、朝礼 → 作業 → トラブル対応 → 達成 → 振り返り、のように山場を作ると飽きません。また、良い面だけでなく「大変な瞬間」も短く入れると信頼が上がり、ミスマッチが減ります。長尺になりやすいので、1分ダイジェスト → 本編5〜8分の二段構えにすると運用しやすいです。

採用動画で強い、定番フォーマット3本

トレンドが変わっても強いのが、インタビュー・座談会・社長メッセージの3本柱です。理由はシンプルで、求職者が知りたいのは「誰と働くか」「どんな価値観の会社か」「自分は成長できるか」だからです。これらは派手な演出がなくても、質問設計と編集で十分に差別化できます。

また、定番フォーマットは量産しやすく、職種別・拠点別・年代別に展開できるため、採用の母集団形成にも向きます。重要なのは、同じ型でも“言わせたいこと”を言わせるのではなく、求職者の不安に答える構成にすることです。定番をトレンドに合わせて短尺化・縦型化するだけでも、成果が出やすくなります。

社員インタビューで、「入社理由」を言語化

社員インタビューは、求職者が自分を重ねやすい最強の形式です。ただし「会社の良いところは?」だけだと抽象的になり、どの会社でも言える内容になります。刺さる質問は、入社前の不安、比較した企業、決め手、入社後のギャップ、成長した瞬間、きつかった時期と乗り越え方など、意思決定のプロセスを掘るものです。

編集では、結論を先に出し、根拠となるエピソードを短く添えるとテンポが良くなります。また、言い淀みを切りすぎると“作り物感”が出るため、自然な間を少し残すとリアルさが増します。最後に「どんな人が合うか」を本人の言葉で語らせると、ミスマッチ抑制に効きます。

  • 入社前:何が不安だったか、何を比較したか
  • 決め手:最後の一押しは何だったか
  • 入社後:ギャップはあったか(良い/悪い両方)
  • 成 長:できるようになったこと、支援されたこと
  • 相 性:どんな人が向いているか

座談会で、社内の雰囲気を可視化

座談会は、社内の空気感や関係性が映りやすく、カルチャーフィットを重視する層に刺さります。成功のコツは、テーマを決めて“話が散らからない”ようにすることです。例えば「若手の成長」「評価とキャリア」「働き方」「現場の大変さ」など、1本1テーマにすると見やすくなります。

また、参加者の属性(入社年次、職種、拠点)を意図的に混ぜると、多面的な情報が出ます。編集では、全員の発言を均等にするより、要点が出た箇所を中心にテンポよく繋ぐ方が視聴維持率が上がります。笑い声や相槌など“音の情報”が雰囲気を作るので、BGMで消しすぎないのもポイントです。

経営層の共感を生むメッセージで、ビジョン発信とブランディング

社長メッセージは、企業の方向性や意思決定の基準を伝えられるため、志望度の高い層の背中を押します。ただし、抽象的な理念だけを語ると“良い話”で終わり、採用には直結しません。共感を生むには、なぜその事業をやるのか、どんな課題を解決したいのか、どんな仲間が必要かを具体化します。

さらに、現場の映像や社員の声と組み合わせると「トップの言葉が現場で実装されている」ことが伝わり、信頼が上がります。長さは2〜4分程度が見やすく、冒頭で結論(求める人物像・実現したい未来)を先に言うと離脱が減ります。経営層の動画は、採用だけでなく企業ブランディングにも波及する資産になります。

会社説明会用動画・選考導線用資料動画との使い分け

採用動画と会社説明会用動画、選考導線用の資料動画は、目的が違うため作り分けると成果が出やすくなります。採用動画は興味喚起と応募の後押しが中心で、情感と雰囲気が重要です。一方、説明会用は情報の網羅性が求められ、事業・職種・制度・選考フローを整理して伝える必要があります。

さらに、選考導線用の資料動画(例:一次面接前の案内、職種課題の説明、福利厚生の詳細)は、採用担当の説明工数を削減し、候補者体験を均一化できます。これら3つの用途を明確に分けることで、1本に詰め込みすぎる問題を回避できます。運用面では、ショートで集客 → 説明会動画で理解 → 導線動画で迷いを潰す、という設計が強いです。

成功事例から学ぶ、応募が増えた企業の共通点

応募が増えた企業の共通点は、ターゲットが明確で、動画の役割が定義されていることで、媒体ごとに最適化され、改善が回っている企業ほど成果が出ます。映像の派手さではなく「設計と運用」が整っていることです。成功企業は、短尺で入口を作り、職種別や深掘り動画で理解を進め、応募導線を迷わせない設計をしています。

成功事例の設計は、ターゲット・目的・流れを最初に固めている

成功事例の多くは、制作前に「誰に」「何を感じてもらい」「次に何をしてもらうか」を決めています。目的が“かっこいい動画を作る”だと評価が主観になり、社内の好みで迷走します。一方、目的が“説明会予約率を上げる”、“エンジニア応募を増やす”、“辞退を減らす”などKPIで定義されていると、構成も編集も判断が速くなります。

また、成功企業は導線設計が上手く、動画の最後に必ず次のアクション(リンク、QR、フォーム、日程)を置き、迷わせません。さらに、公開後にサムネ・冒頭・字幕・CTAをABテストし、改善を前提にしており、“作って終わり”ではなく“育てる”運用が共通点となっています。

職種別(エンジニア/営業/現場職)で刺さるシーンは違う

職種が違えば、求職者の比較軸も違うため、刺さるシーンは変わります。エンジニアは技術環境・開発プロセス・裁量・レビュー文化・学習支援など、仕事の中身の解像度が重要です。営業は顧客との関わり、提案の面白さ、評価の仕組み、チーム支援、成功体験が刺さりやすいです。現場職は安全・教育・チーム連携・1日の流れ・体力面のリアルなど、入社後の生活が想像できる情報が強いです。

同じ会社紹介でも、職種別に“見せる現場”を変えるだけで応募率が変わります。可能なら職種別プレイリストを作り、求職者が迷わず見たい動画に辿り着ける状態を作りましょう。

職 種刺さる要素入れると強いシーン例
エンジニア技術・開発文化・成長コードレビュー、開発会議、技術スタック紹介、学習支援
営業提案の面白さ・評価・支援商談準備、ロープレ、受注後の喜び、上司のフィードバック
現場職安全・教育・チーム・生活朝礼、作業手順、休憩、引き継ぎ、繁忙期の動き

成功パターンは、ショートで認知 → 本編で理解を深める二段階

1分動画の成功パターンは、ショートを“入口(誘導)”と割り切り、“深掘り”本編へ送客する二段階設計です。ショートで全部説明しようとすると、情報が薄くなるか、詰め込みで離脱します。成功している企業は、ショートで「この会社、気になる」「この職種、面白そう」を作り、次に2〜6分の職種別動画やインタビューのある本編へ誘導します。

弊社の制作事例では、YouTubeショートを入口と位置づけることで、インプレッション数が全体的に増え、デバイス別ではスマートフォンの割合が増え、チャンネルページへのアクセスも増えるという良い効果が確認されました。ただし、ショートの効果は2週間ほどしか続かないため、継続して配信することが必要だと考えます。

導線は、固定コメント、概要欄、採用サイトの埋め込み、説明会LPへのリンクなど、媒体に合わせて最短距離にします。また、ショートは複数本をシリーズ化し、同じ世界観で反復接触を作ると認知が積み上がります。結果として、応募時点で理解が進んだ候補者が増え、選考の質も上がりやすくなります。

失敗事例からの学びは、クオリティ不足・情報過多・リアル欠如

失敗の典型は大きく3つです。1つ目はクオリティ不足で、特に音声が悪い、字幕が読めない、暗くて表情が見えないなど、視聴体験が悪いケースです。2つ目は情報過多で、会社概要・事業・制度・職種・理念を全部入れて、結局何も残らないパターンです。3つ目はリアル欠如で、綺麗な言葉だけが並び、現場映像や具体的なエピソードがなく、信頼が生まれないケースです。

採用動画は広告よりも“信頼のコンテンツ”なので、盛りすぎると逆効果になります。改善策は、目的を絞る、一次情報を入れる、冒頭とCTAを強化する、の3点に集約されます。

採用動画の段階別作り方のポイント

採用動画は、制作フローを段階化すると失敗しにくくなります。特に重要なのは、撮影前の企画設計と、公開後の運用設計です。撮影や編集は外注でも内製でもできますが、目的・ターゲット・KPI・導線が曖昧だと、どれだけ綺麗に作っても成果は出ません。

また、媒体ごとに最適な尺や画角、字幕の作り方が違うため、最初から「横型本編」「縦型切り出し」「ショート複数本」など展開を前提にすると効率が上がります。

制作前の準備:目的/KPI/ターゲット/配信媒体/CTAを段階に応じて設計

制作前に決めるべきは、目的とKPIです。例えば、認知なら再生数や視聴維持率、比較検討ならサイト遷移率、応募ならエントリー率など、段階に応じて指標が変わります。次にターゲットを定義し、その人が応募前に知りたい判断材料(仕事内容、育成、評価、働き方、雰囲気)を洗い出します。

ここで「動画で伝えること」「採用サイトで補足すること」を分けると、動画が締まります。さらに、配信媒体(TikTok/YouTube/採用サイト/説明会)を決め、尺・画角・字幕の方針を先に決めると手戻りが減ります。最後に、CTA(説明会予約、応募、カジュアル面談)を明確にし、導線を最短に設計します。

撮影と段取り:現場/オフィス/社員の様子を撮るための依頼と配慮

撮影で重要なのは、現場の協力を得る段取りと、候補者が見たい“リアル”を撮ることです。事前に撮影目的、撮影範囲、公開先、顔出し可否、撮影時間を共有し、現場の不安を潰します。また、顧客情報や機密が映り込むリスクがある場合は、撮影エリアの制限やモザイク前提の設計が必要です。

社員の自然な表情を撮るには、台本で縛りすぎず、会話や作業の流れを邪魔しない撮り方が向いています。インタビューは、質問を事前共有しつつ、回答は暗記させない方が自然です。Bロール(働く様子、オフィス、会議、休憩)を多めに撮っておくと、編集でテンポと説得力が作れます。

編集で差がつく:テロップ/音声/テンポ/ストーリー整理

編集は“見やすさ”と“伝わりやすさ”を作る工程で、採用動画の成果を左右します。まず音声を最優先で整え、声が聞き取りやすい状態にします。次にテロップは要点だけを短く出し、スマホでも読めるサイズにします。テンポは、間延びする部分を切り、結論を先に出す編集にすると視聴維持率が上がります。

また、ストーリー整理として「何を言っているか」ではなく「何が伝わったか」を基準に並べ替えると、刺さる構成になります。縦型展開をする場合は、重要な被写体が中央に来るようトリミングし、字幕の位置が被らないよう調整します。最後にCTAを明確に入れ、次の行動を迷わせないことが重要です。

公開後の運用:SNS/YouTube配信 → 拡散 → 改善サイクルで効果を向上

採用動画は公開してからが本番です。SNSは投稿頻度と改善が成果を作るため、1本を出して終わりではなく、切り出しや別角度のショートを継続投入します。YouTubeは検索・関連動画で資産化しやすいので、タイトル・概要欄・チャプター・サムネを最適化し、職種別プレイリストを作ると回遊が増えます。

拡散は、社員のシェア、採用サイト埋め込み、スカウト文面へのリンク、説明会メールへの同封など、接点ごとに配置するのが効果的です。改善は、冒頭3秒、字幕の読みやすさ、CTAの位置、サムネの訴求を中心にABテストします。運用で伸びる企業は、動画を“採用導線の部品”として扱い、データで磨いています。

外注か内製か?費用/相場と制作会社への依頼ポイント

採用動画は内製でも作れますが、目的や求める品質、社内リソースによって最適解が変わります。外注はクオリティと企画力を買える一方、費用がかかり、社内調整も必要です。内製はスピードとリアルを出しやすい一方、属人化や品質ブレが起きやすい課題があります。

制作費用の相場:1本あたりの料金、長さ、種類

採用動画の費用は、尺よりも「撮影日数」「人数」「編集工数」「アニメーション有無」「企画の深さ」で変わります。インタビュー中心の実写は比較的抑えやすく、アニメーションや複数拠点撮影は上がりやすい傾向です。また、縦型ショートを量産する場合は、1本単価よりも“月額運用”や“まとめて制作”の方がコスパが良いことがあります。

相場は地域や会社規模で幅がありますが、目安を持っておくと見積り比較がしやすくなります。費用だけで判断せず、企画提案の質、採用導線の理解、修正回数、二次利用(切り出し)範囲まで確認するのが重要です。

種 類相場目安特徴
ショート(15〜60秒)5万〜30万円/本量産向き。企画と字幕設計が重要
実写インタビュー(2〜5分)30万〜120万円/本信頼を作りやすい。撮影と音が品質を左右
座談会/ドキュメンタリー(5〜10分)80万〜200万円/本撮影・編集工数が増える。リアルが出ると強い
アニメーション(1〜3分)50万〜200万円/本制度説明に強い。デザインと情報設計が鍵

外注のメリット:クオリティ・工数削減・企画力の強化

外注のメリットは、一定以上の品質を安定して出せることと、社内工数を大きく削減できることです。特に採用動画は、音声・照明・編集テンポなど“基礎品質”が成果に直結するため、プロの撮影編集は効果が出やすい領域です。また良い制作会社は、採用ターゲットの整理やコンセプト設計、媒体別の最適化まで提案してくれます。

社内で言語化しにくい魅力を、ヒアリングから引き出して構成に落とす力は外注の価値になりやすいです。一方で、外注でも社内の一次情報がないと薄くなるため、現場社員の協力体制は必須です。外注は“丸投げ”ではなく“共同制作”と捉えると成功確率が上がります。

内製のメリット:社内理解・スピード・現場密着のリアル感

内製の強みは、現場に近いからこそ撮れるリアルとスピード感です。例えば、イベント当日の熱量、日常の何気ない会話、繁忙期の動きなどは、内製の方が撮りやすいことがあります。また、SNS運用でショートを継続投稿する場合、内製の方がPDCAを回しやすく、改善が速いのもメリットです。

ただし、属人化しやすく、担当者が変わると止まるリスクがあります。最低限、撮影ルール(音声、構図、字幕、ブランドトーン)とテンプレート(台本、編集プリセット)を整備すると、品質が安定します。内製でも、要所(企画設計や最終編集)だけ外部のプロにレビューしてもらう“ハイブリッド”も現実的です。

制作会社へ依頼する際の資料は、判断基準を言語化して渡す

制作会社への依頼で失敗しないためには、最初の情報提供が重要です。目的とKPI、ターゲット、募集職種、伝えたい魅力、避けたい表現、参考動画(好き/嫌い両方)、掲載媒体、納期、予算感をまとめると、提案の精度が上がります。特に「誰に刺さってほしいか」と「次に何をしてほしいか」が曖昧だと、提案がブレます。

また、撮影可能な場所、出演可能な社員、NG事項(顧客名、機密、顔出し)も事前に共有すると手戻りが減ります。見積り比較では、修正回数、二次利用(切り出し)範囲、納品形式(縦/横、字幕あり/なし)まで確認しましょう。依頼資料は完璧でなくても良いですが、判断基準を言語化して渡すことが重要です。

  • 目的/KPI:再生、維持率、サイト遷移、説明会予約、応募など
  • ターゲット:経験・志向・不安・比較軸
  • 参考:好きな動画/避けたい動画(URL)
  • 媒体:TikTok、YouTube、採用サイト、説明会など
  • 条件:納期、予算、修正回数、二次利用範囲

採用動画の効果測定と改善

採用動画は“作ったかどうか”ではなく、“改善できているかどうか”で差がつきます。特にショートやSNS運用は、投稿 → 分析 → 改善のサイクルが前提です。また、媒体ごとにユーザーの視聴態度が違うため、同じ動画をそのまま流すと成果が落ちることがあります。

見るべき指標:視聴維持率・クリック・エントリー率・認知の拡大

採用動画の指標は、目的フェーズごとに分けて見ると改善がしやすくなります。認知フェーズでは、表示回数、再生数、3秒視聴率、視聴維持率が重要です。比較検討フェーズでは、採用サイトへのクリック率、概要欄リンクのCTR、説明会LPへの遷移が効きます。応募フェーズでは、エントリー率、説明会予約率、応募完了率、面接設定率など、最終成果に近い指標を追います。

また、コメント内容や保存数、シェア数は、“刺さり”の定性指標として有用です。数字が悪い時は、どの段階で落ちているかを特定し、冒頭・訴求・導線のどこを直すべきか切り分けます。

応募が増えない原因の解決:構成、冒頭、訴求、導線を見直す

再生はされるのに応募が増えない場合、原因は動画の中身だけでなく導線にあることが多いです。まず、冒頭でターゲットが明確か、誰向けの動画かが伝わっているかを確認します。次に、訴求が“会社の自慢”になっていないか、求職者の不安に答えているかを見直します。さらに、CTAが弱い、リンクが見つからない、フォームが長い、スマホで入力しづらいなど、応募までの導線で摩擦が大きいと離脱します。

改善は、冒頭の結論先出し、1テーマ化、具体エピソード追加、CTAの固定、リンクの短縮、フォームの項目削減などが有効です。また、ショートからいきなり応募ではなく、説明会やカジュアル面談など“中間CV”を置くと転換率が上がるケースもあります。

媒体別の最適化:SNS縦型とYouTube横型で変える設計

同じ内容でも、媒体に合わせて作り替えると成果が変わります。SNS縦型は、無音視聴が多いため字幕が必須で、テンポも速めが基本です。一方YouTube横型は、音声ありで見られやすく、検索や関連動画で長く見られるため、2〜8分程度の深掘りが有効になります。また、縦型は画面が狭いので、情報量を減らし、1画面1メッセージにすると伝わります。

YouTubeはサムネイルとタイトルで期待値が決まるため、「誰向け」「何がわかる」を明確にするとクリックが伸びます。採用サイト埋め込みは、ページの文脈に合わせて動画の役割を決め、動画下にCTAボタンを置くなど導線設計が重要です。媒体別に最適化することが、2026年の採用動画運用の前提になっています。

媒 体最適な尺設計のポイント
SNS縦型(TikTok/リール/ショート)15〜60秒冒頭3秒、字幕前提、テンポ重視、1テーマ化
YouTube横型2〜8分検索/関連対策、サムネ・タイトル、章立て、深掘り
採用サイト/LP30秒〜5分ページ文脈に合わせる、CTAを近くに置く、補足テキスト併用

まとめ

これからの採用動画トレンドは、ショート化・縦型化・インタラクティブ化・AI活用の加速です。ただし、トレンドを取り入れるだけでは成果は出ません。鍵となるのは、求職者の不安を解消し、志望度を底上げするための「戦略的な設計と運用」です。

誰に向けた動画かを明確に定義し、「現場のリアル」という最も求められる情報を一次情報として盛り込むことが不可欠です。また、ショート化が進む中で、冒頭3秒で結論を先出しし、「自分に関係ある」と瞬時に思わせる情報設計を重要視する必要があります。

例えば、認知獲得のためのショート動画(15〜60秒)と、理解促進のための深掘り動画(2〜8分)を使い分け、求職者を迷わず応募へ繋げる二段階の導線を構築します。そして、「作って終わり」ではなく、視聴維持率、クリック率、エントリー率などのKPIを追いかけ、データに基づいて動画コンテンツを磨き続ける運用体制を持つことが、これからの採用活動における勝ち筋となります。

弊社ゼネラルアサヒは、マーケティング効果を考慮し、採用動画の企画から撮影、編集までトータルに動画をプロデュースします。丁寧なヒアリングを行い、お客様のイメージに合わせて、一気通貫で動画制作を行います。クオリティの高い動画を制作したいと考えている方は、ぜひお問い合わせください。

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